明治大学川島範久研究室

環境ポテンシャルをいかすエコロジカルな地域・建築デザイン

これまで人間は地球を改変してきており、人間の生存条件である地球環境が不安定化してきています。そこで、建築・都市のあり方を「資源」の観点から見直し、地球環境危機の時代における新たな地域デザインを追求しています。地球における「身近な」資源は、太陽光や自然風などの気候や、土や木などの素材あるいは大地、植物や虫・鳥、そして動物から微生物までを含めた生命が挙げられますが、このような「身近な」資源を適切に利用する知恵『伝統知』が中山間地域や離島、地方中小都市や都市郊外といった地域に多く残っています。そのような『伝統知』をリサーチし、現代に活かす実践的研究を行っています。従来のフィールドサーベイに留まらず、コンピュータを用いた環境シミュレーションに基づく環境配慮デザイン、資源循環に配慮したマテリアルフロー・デザイン、新しいエコロジカルなライフスタイル・デザインを通した、地域におけるデザイン実践に取り組んでいます。

地域デザインの視点と手法

視点:気候・エネルギー・水・地形・災害・マテリアル・食・生業・観光・アート・交通・情報通信技術 等 
手法:フィールドサーベイ, 文献調査・ヒアリング, 環境シミュレーション,アクターネットワーク分析

研究・実践テーマ

伝統的集落・建築の「伝統知」を学ぶ/太陽(エネルギー)・大地(マテリアル)・生命(動植物, 微生物)と地域・建築の関係性をデザインする/環境シミュレーションを用いたパッシブな地域・建築のデザイン/自然素材を用いた循環型の構法開発・土中環境改善/SSD(里山スクールオブデザイン)

研究室概要

ⅰ)研究会:週1回程度、ゼミ生全員が参加する研究会を実施。読書会も随時行い、互いに議論することで地域・建築デザインへの多角的視点を身に着ける。他大学・他分野の研究室との合同ゼミ/ワークショップ等も積極的に実施し、実践・教育・研究を連動させた活動を行う。希望者にはデジタルツール習得のための勉強会も行う(現時点でのデジタルツールのスキルは問わない)。

ⅱ)プロジェクト:国内外の様々な地域を対象に、リサーチやフィールドサーベイを通して地域を観察し、建築的提案・実践を行う。現在、複数の集落での伝統知リサーチ、千葉県釜沼(古民家改修),香川県男木島(古民家改修),多摩区・麻生区(ワイナリー)における地域・建築デザイン実践PJが進行中。

ⅲ)卒業研究・卒業設計:卒業論文・卒業設計のいずれも選択可能。各自の興味・問題意識に基づき、指導教員や研究室メンバーと議論しながら地域デザイン(地域との関係性を考えた建築デザインも可)に関するテーマ設定を行う。

ⅳ)建築・都市計画設計研究(大学院):研究室のプロジェクトに参加しつつ、個人で設定したテーマに基づいた研究を推進する。修士論文・修士設計のいずれも選択可能。

ⅴ)ゼミナール履修者に望まれる点:上記で示した分野横断的な視点および建築から地域までのスケール横断的な視点を持ち積極的に学ぶ姿勢。